コラム ミニマリズム

サンテクジュペリは「完璧とは、これ以上加えられないときではなく、これ以上削りとれないときに達成されるようだ」という言葉を残した。

 

コロナが始まった2020年春あたりから、このままではいられないと思い始め、住処を変えるべく小さなアパートへと引っ越した。

 

築31年ほどで、川の横に建つ小さなアパート。

リュックひとつになりたいと思った。

 

いつ人生の最後が来ても、ああそうかと、その導きについて行けるように、

または消滅するとしても心清々しくあれるように、

それにはあまりにも手に抱えているものが多すぎるのだと気づいてしまった。

 

今は仕事部屋兼住居のこの部屋には神棚、ご先祖様の小さな祈りの台、仕事机と小さな収納。白い椅子。観葉植物。

それだけを配置して後は何もない。

 

そういうことを続けてきたぼくにちょっとした変化があった。

脳内がすっとすっきりとしてきたんだ。

 

今まで、何かに突き当たるとその複雑に見えてしまう問題に動けなくなるようなことが多かったのだけれど、今は、割とあらゆることが解決できるように思えてしまう。

現実としては日々、問題は複雑化しているだろうなかで、それに対する突破意欲はだんだんとシンプルになってきている。

つまりは起こりうることは仕方ないか、という覚悟。

 

ならばどうするかという静寂感。

 

ぼくはこの人生で一体何を手に入れたかったのだろう。

あなたがこの人生で手にしたいものは何ですか?

 

体験と言ってしまえばそれまでだけれど、

この溢れ有り余る情報の時代の中で、

世界はどこへと向かうのだろう。

 

森の中で暮らしたい。

せめて手に入れたいものとすれば、静寂で安穏な心。

 

責めたり欲張ったり、疑ったり怒ったり、

そういう風はあちらで吹いてほしい。

 

床を磨くたびに一ついいことがある気がしている。

それはきっと何か、

この世界ができた時に生まれたシンプルな法則の一つなのだろう。

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